隣の芝は どうしていつも 青いのか

誰かにとっての「隣の芝」になれるまで、言葉を考え、言葉に悩む。

029 zeroとともに

博士の愛した数式』という本がある。

 

小川洋子さんの著書で、映画化もされているし、知っている人も多いと思う。

www.shinchosha.co.jp

 

その一節に、「ゼロの素晴らしさ」を博士が語るシーンがある。

 

 「0を発見した人間は、偉大だと思わないかね (中略) 無を数字で表現したんだ。非存在を存在させた。(中略)矛盾のなさが強調され、秩序は強固になる。」

 

これを読んだとき、もし仮に何もかも失ってゼロになっても、

存在して良いって認められたような気がした。

 

この本の中でも、個人的に印象的な部分。

 

 

■『zero』からの決意

昨日、Aimerの初となる武道館公演を、ライブビューイングで見てきた。

 

https://www.instagram.com/p/BYX1HeQHqja/

来た!Aimer初武道館公演、ライブビューイング!個人的に、LVが初なので雰囲気が良く分からんけど、とにかく楽しみ。物販で、六等星の夜オルゴール買えないのが悲しいけど…しかと目に焼きつけます!#Aimer#ライブビューイング

 

タイトルは"blanc et noir"、フランス語で白と黒。

 

Aimerのファンクラブの名前にもなっているし、今年リリースされた

2枚のベストアルバムも、『blanc』と『noir』

 

Aimer自身にとっても、ファンにとっても、思い入れのあるフレーズだと思う。

 

ライブは『blanc』編『noir』編のように、それぞれのアルバムから

選曲されて進んでいった。

(Aimerのネイルも白と黒になってましたね!)

 

 

終盤に入り、このステージに立って、想いを語るAimer。

 

うろ覚えだけど、こんなようなことを話してたと思う。

 

「初の武道館だけど、特別扱いするのではなく、いつも通り

歌を届けようと思って来ました」

 

「でも、初めての武道館は1回だけ、ここに連れてきてくれた、

みなさんのおかげ」

 

 「声が出なくても、やっぱり歌が好きで、歌う度に好きになって、

これからも歌を届けたい」

 

 

特に最後のフレーズは、声帯を傷めているAimerの言葉だからこそ、

その気持ちの強さを感じた。

 

そんな想いの詰まったMCから歌われたのが、『noir』の最後に

収録されている「zero」という曲。

 

 

これからも僕らに声を、音を、詩を、僕らのリアルとして刻んでくれる、

そんな誓いのようなパフォーマンスだったように思う。

 

「ここからが新しい始まり」と言っていたのも、より引き立てていた気がする。

 

 

■Aimerとの出会い

Aimerのメジャーデビューは2011年、忘れもしない、東日本大震災が起きた年。

 

その年、僕は入社1年目。

会社のボランティアで石巻まで復興支援に行ったことがあった。

 

仕事を終え、夜行バスで向かいながら、この先どうなってしまうのか、

少しばかり不安を抱きながら、僕はラジオをぼんやり聴いていた。

 

 

その時、Date fmから流れてきたのが、Aimerのメジャーデビュー曲

「六等星の夜」だった。

 

時間に余裕がある方は、6分弱の間、耳を傾けてみてください。

 


Aimer 『六等星の夜』

 

 

東京とは違う真っ暗な夜を見る僕に、これ以上無く寄り添ってくれた曲。

 

聴く度にあの日の夜を思い出す。

大げさだけど、僕の人生にとても深く関わっている。

 

 

昨日のアンコールのラスト、ピアノだけをバックに、時折涙ぐんだ声で

歌いきった。

 

LEDで星を模した演出もあって、ライブビューイングではあったけど、

とても綺麗だった。

 

それはもう鳥肌もので、この曲を聴いてる間、感動しか無かった。

 

(スマホライト振り出した人も居て、それはそれで綺麗だったんだけど、

現場ではどうやら光りもの禁止だった様子…これはまた別のお話ですかね)

 

 

初の武道館、13,000人。+LVの観客。

11年のメジャーデビューから7年目、一つAimerにとってのマイルストーン

なった夜だったと思う。

 

個人的には、昨日のような演出、聴かせ方であれば、

Bunkamuraオーチャードホールとかも似合うと思う。

 

いつか見てみたいな。

 

 

・・・・・

 

ライブが終わって、思うことがどばーーっと溢れてきて、勢いで書いてきた。

 

この勢いも含めて残したかったから、まぁ良しとしようか。

 

 

今日はそんな、Aimer(エメ)というアーティストのお話でした。

 

 

長文駄文にお付き合い頂き、ありがとうございます。

 

今日もご愛読、感謝。
written by kobakkuma.
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028 継続すること

2017年6月4日、21時。
無事に大阪行きの新幹線に飛び乗った。

 

僕は今、大阪に戻る新幹線の中でこの記事を書いている。

 

記事なんて大それたものでは無い。
何者でもない、ただの社会人のブログだ。

 

当日入りの当日帰り、片道150分。

夢の国のハイシーズンなら、これくらいの待ち時間はありうるかもしれない。

そんな時間で、東京⇔大阪を行き来出来てしまう。

 

前に出張が続いていた時も思っていたが、交通網の発達は良い面も悪い面もあって、

考え物じゃないかと。

 

動き出しをギリギリまで引っ張れる代わりに、ほとんどの場合日帰りが出来る。

出張先でちょっと晩ごはんでもと思っても、それには少し時間が足りない。

 

いっそのこと東京行きの終電を早くしてしまって、各出張地に留まらせた方が

経済的にも潤うんじゃないか?と思った時もあった。

 

でも、そうしたら次は「じゃあ出張を無くします」という方針が出される

ことになるわけで、それはそれで寂しい感じになってしまう。

 

うーむ。

 

まぁ今日は仕事では無く、完全にプライベート。

高校の同級生の結婚式だったので、当然の日帰りである。

 

 

 

前置きが長くなってしまった。

 

前回このブログを更新したのは、2016年の12月。 

今でも『サヨナラの意味』は名曲ですわ…(´;ω;`) 

kobakkuma.hateblo.jp

 

 

そう、僕はこの1月から大阪住まいの神戸勤務になったのだ。

うっかりもう半年が過ぎている。正確には5か月だけど。

 

「半年」なんて2文字で片付けているけれど、1年の約半分がもう既に

終わろうとしているわけで、それはそれは恐ろしい。

 

 

人生で初めて関東以外での生活を繰り広げているわけだが、生活自体は、
コンビニとクリーニング屋があれば続けられる。

 

それでも、なかなかにアウェイな感じは受けている。

 

そもそも営業→経理なんて仕事内容はまるっきり違うし、通勤も前の倍

掛かっている。(好きでそこに住むことにしたんだけど。w)

 

気軽に「今夜、飲み、どう?」と言える友達もほとんど居ない。

 


ただ、このアウェイな状況ではあるけれど、逆に、自分をリスタートする

良い機会かもしれない。

 

最近の率直な感想はこれだ。

 

 

もちろん、関東で過ごした期間を無いものになんてする気はさらさら無いし、

そんなこと出来るとも思わない。

 

 今の僕を作ったのは紛れもなく東京で一緒に過ごしてくれた人たち。

 

"離れてみると分かる"なんてよく言うけど、実際に自分がその立場になると

ほんとにそう思う。今までどれだけホームで甘えて生きてたか。

 

今日久しぶりに高校の同級生と会って、その居心地の良さを感じて改めて思う。

 

 

新しい職場の雰囲気というか、文化があまり合わずに塞ぎ込んだりしてるけど、

こうして東京に帰ってきた時に話したりすることでホームを再確認出来る。

 

 

もしそうだとするなら。

今までのイメージを度外視して、いろいろやってみるだけやってみよう、

こっちに来てからは、そんな気持ちになっている。

 

 

別に今までの自分を気にする必要も無いし、大阪での"僕"は、今までの"僕"である

必要は無い。誰に気を遣うことも無いし、なんなら気を遣わなきゃいけないような

人も、会社にはいない。

 

 

だから、キーボードのレッスンに行くこともさくっと決めたし、

お願いする美容師さんも固定してみることにした。やってみたかったのよ。w

 

 

FM802のオーディションも、社会人になってから何回か出していたけど、

今回は一番時間を掛けて挑んでみた。

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"そんなの、東京でも気にせずやったら良かったじゃん"

過去の僕を知る人は、そんな気持ちになるかもしれない。

 

 

でもね。

僕の場合、だいぶ周りの目線が気になってしまうタイプだったので、

あまり気の向くままに動けなかったのです。

 

そんな自分の過去のポンコツメンタルを認めた上で、改めて、自分の居たい場所は
ここでは無い、少なくとも今の部署や今の会社ではないことを再確認したのが、
この5か月間でした。

 


タワレコNU茶屋町店でインディーズのバンドを試聴したり、ライブで生音に

まみれる度に、自分が社会人になった目的が何だったのか、思い出す。

 

 

人によっては、(まだそんな寝ぼけたことを言ってるの)と思う人は

いると思う。

 

むしろ、僕を知る大半の人は、きっとそう思ってると思う。

 

 

けれど、僕はやっぱりこのまま人生を終えるのは嫌だし、周りからどう思われても、

自分のなりたい姿に進んでいくようにしたいと思う。

 

 

ほとんどの人が僕を知らないこの土地で、僕は自分を取り戻すように、

生きていくと決めた。

 

 

そのきっかけは、今日高校の同級生とたくさん話したことと、

昨日のライブだった。

 

 

大学の頃から追い続けている、「SPECIAL OTHERS」というインストバンドがいる。

僕がインストバンドにハマるきっかけになった、超重要バンドである。

 

これほど素晴らしい音楽がこの世に存在するのに、知られていないのは

もったいなさすぎる。

 

 

スペアザだけでは無い。

この世には人生を豊かにしてくれる音楽は五万と存在している。

 

そんな音楽をいち早く拡散出来る存在に僕は就きたい。

昨日のライブを終えて、大真面目にそう思った。

 

 

いつ、どこで聴いても、自分の立ち返る場所を教えてくれる、

そんな音楽に出会えて僕は本当に幸せだと思う。

 

この曲は10分くらいある長い曲だけど、寝る前の10分間で良いので、

最後まで聴いて欲しい。きっと、良い眠りにつけるはず。

 


Special Others - Laurentech

 

 
書きたいことがあって、集中してさえいれば、酔ってても2時間くらいで

この文量を書き上げることが出来ることが分かったし、ブログの更新、

もっと頻度上げようね。>自分

 


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027 「サヨナラの意味」になぞらえて

サヨナラは通過点 これからだって何度もある

乃木坂46 16thSg「サヨナラの意味」)



◆私事で恐縮ですが...

ブログなんてそもそも個人的に書いているわけだから、

自分事で恐縮することは無いはずなのだけれど、

少し個人的なイベントが発生したのでご報告させて頂きます。

 

今働いている会社は、本社が神戸。僕のいる部署を含めた営業部門が

東京に集約されている体制を取ってまして。

 

今から約2週間くらい前に、1月から神戸本社での勤務を言われたんですね。

しかも、営業とはほぼ真逆に位置する経理を任されることに。

 

上司から言われる時にはもう決定事項だろうと思って「最悪ですね」と

言い放ち、上司の顔色をすごく曇らせたのを今でも思い出します。

こんな感じだから神戸に送られたのかな?

 

 

それからというもの、まぁ引き継ぎのスケジュールやら、引っ越しの準備やら、

目まぐるしく日々が過ぎて、少しだけ落ち着いてきた今日この頃。

 

「何事にも、大なり小なり理由があるはず」と思う性分なので、

この異動に関して、「その意味」を考えてみたんです。

 

自分なりに消化するためにも。

 

 

◆サヨナラの意味とおおかみこども

だいぶ話は飛びますが、冒頭に書いた通り、

乃木坂46の最新シングルは、「サヨナラの意味」。

 

控え目に言っても、僕はこの曲がめっちゃ好きです。

 

センターの橋本奈々未さん、ななみんが好きというのもありますが、

旅立ちを後押ししたり、自分の境遇が変わる場面において、

非常にハマる曲だと思うんです。

 

 

 

僕の好きな芸人の一人、ダイノジ大谷ノブ彦さんがよく発言してるけど、

「アーティストには歌うべきタイミングで歌う曲がある」というのは、

僕もそう思っています。

 

ただまぁ、僕は大谷さん程の広さも深さも持っていないから、表面的にしか

認識出来てないかもしれない。なので非常に畏れ多いのだけど、

 

例えば、NIKIIE「春夏秋冬」、PerfumeDream Fighter」「STAR TRAIN」、

AKB48「River」、星野源地獄でなぜ悪い」「SUN」とかがそれに当たると

思っているんです。

 

それまでの流れが一気に伝わるような曲、というイメージですかね。

 

 

この「サヨナラの意味」が発表になったのは、乃木坂46の特番ラジオ。

同時に、ななみんの乃木坂卒業と芸能界引退も発表されました。

 

まーびっくりした。芸能界まで引退しちゃうんだ・・と。

 

ドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方』では、「ロケ弁が食べられる」という

一人明らかに異色な理由でアイドルになっていたし、

 

その後の乃木坂工事中でバナナマンと語るシーンも放送されていたけど、

自身の目的のために、アイドルを"仕事"として完璧にこなした

(1stから16thまで全て福神で終えた)ことにとても衝撃を覚えました。

 

Twitterでも、超絶バズってたよね。

 


乃木坂46 『サヨナラの意味』

 

見たら分かる通り、このPV、ものすごく意識的に作られている。

 

例えば、

 ・棘を切り落とすシーン

  →ななみんが普通の女の子に戻るためのイニシエーション。

   ※棘はたぶん、ななみんのこと。1st写真集「やさしい棘」だし。

 ・交換した本のコメント

  →桑田真澄の名言「マイナスはプラスにするための準備期間」

   ※ななみんが尊敬している桑田投手の言葉。

 

他にももっとたくさんの隠されたメッセージが、PVには込められているようです。

matome.naver.jp

 

さらに、ジャケットにも秘密があるそうです。

僕は気付けませんでしたよ、そこまで。笑

【乃木坂46】 『サヨナラの意味』のジャケ写に表記された『数字の謎』を解明!無い数字を並び替えて…! : 乃木坂46まとめ 乃木仮めんばー

 

 

ほんと、ここまで作り込む制作陣も、気付くファンも、すごい。

 

それだけ信頼されてたんだろうね。

これが芸能活動最後ってことで、関係者みんなが総出で力を発揮してる。

 

もし仮にこれが全て偶然の産物で、

ファンが勝手に拡大解釈してるだけだったとしても、

 

それを認めることでこの曲をより聴き込めるのなら、それで良いと思う。

 

 

拡大解釈ついでに言えば。

 

僕はちなみに、このPVを見て、細田守監督の映画『おおかみこどもの雨と雪』が

少しよぎりました。

 

 

ラストシーン。

母である花が、涙ながら必死に息子の雨を送り出すところ。

 

なんとなく、

 

こども→おおかみになって山を守りに行った雨と、

 

棘人→人になってこれから自分の人生を生きていくななみんが、

 

かぶって見えたんですよね。

 

 

◆このブログの意味 

読んでもらってお分かりの通り、今日のブログの大半は、

乃木坂46の「サヨナラの意味」について書きたかっただけです。笑

 

 

けど、これは自分の境遇も合わさったこのタイミングだから出てくる感情も

混ざっているわけで、今しか書き残せないものだとも思うのです。

 

 

ありがたいことに、昨日・今日と、学生時代に仲良くさせてもらってた

先輩や後輩と集まっていたわけですが、

 

会う会わないは別にして、物理的に近い距離に居ると自ずと安心感は

生まれるもので、それは逆もまた然りな感覚。

 

神戸の会社に入ったのにすぐ東京に戻ることになって、こっちにいる

先輩や友人と仲良くさせてもらって、皆にとても甘えてしまっていたんだと、

ものすごく感じました。

 

昨日今日が、すごく楽しかったから。

 

 

この異動は僕の人生にとってターニングポイントになりうるイベントだと思うし、

振り返った時、そう言えるようにする必要がある。

 

そんな気がする。

 

 

良い意味で、周りに甘えずに生きられるか、試される時間。

 

サヨナラに強くなれ この出会いに意味がある

始まりはいつだって そう 何かが終わること

乃木坂46 16thSg「サヨナラの意味」)

 

もちろん、これからやって来る新たな出会いにどんな意味があるのかは

まだ分からないけど、それに意味付けをするのは自分自身。

 

それをきっちり認識した上で決断した人が歌っているから、僕はこの曲に

強く共鳴したんだと思う。

 

自分で決めたことで無くても、自分自身の力で、それを自分で決めたことに

変えられる。

 

 

来年からは、常にその思いを頭に置きながら日々を過ごすことにします。

 

 

まだ年内は東京にいるので、会えてない人にたくさん会っておきたいですね。

  

 

今日もご愛読ありがとうございました。

written by kobakkuma.