隣の芝は どうしていつも 青いのか

誰かにとっての「隣の芝」になれるまで、言葉を考え、言葉に悩む。

047 07/5/9から始まった

 

僕は最近、ほんと最近、5月に入ってから、

noteに毎日1曲、気になっている曲/もっと聴いてもらいたい音楽を

紹介するようなことを始めている。

 

 

このnoteのコメント、

あんまり長くなってしまうのは個人的にしっくりこないので、

出来るだけ短めにするのを心掛けている。

 

 

ただ、今日は少し長くなってしまったので、こっちにメイン版を

残すことにしてみた。

 

 

良ければ、noteも、フォローしてみてもらえると嬉しいです。

 

note.com

 

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今や日本の音楽シーンには欠かせないビッグアーティストになった、
サカナクション

 

 

今から13年前、2007年の5/9、アルバム『GO TO THE FUTURE』で
メジャーデビューした北海道出身の5人組バンドですね。

tower.jp

 

 


そのアルバムの1曲目、そして、僕がサカナクションにのめりこむ
きっかけになった『三日月サンセット』を、今日はご紹介。

 

 


サカナクション / 三日月サンセット -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-

 

 

当時はまだYouTubeもここまでの広がりにはなってなかったし、

Twitterに至っては存在すらしてなかった。

 

 

その頃の僕は(今もそうだけど)、ラジオを音楽探しの大黒柱にして
過ごしていた。

 

 

そこで、こんな歌詞が聴こえてきたのだ。

 

 

空には夕暮れの月 赤い垂れ幕の下


君は今 背中越しに 何を言おうか考えてたんだろう

 

 

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ラジオから流れる音楽は、どこか運命めいたものがある。

 

 

「今聴きたい!」と思っている曲があったとして、現代なら、

すぐにアクセスが可能な世界に生きている。

 

 

しかし、ラジオから聴こえる曲は、

必ずしも「その瞬間の自分」が聴きたいと思っているわけでは無い。

 

また、広告宣伝のように、自分の過去の検索や趣味嗜好の傾向から

サジェストされた音楽でもない。

 

 

にも関わらず、その時の自分の意識を、一気に持っていかれる楽曲に

ラジオでは出会うことが出来る。

 

 

 

これって、なかなかに奇跡的なことだと思うのだ。

 

そして、僕の場合、その直感はほとんどのケースで正しくて、

その後の自分にとって重要なアーティスト、大切な音楽として、

聴き続けていくことが多い。

 

 

 

この『三日月サンセット』を聴いて、

 

夕暮れ時をこういう言い回しで表現出来るアーティストに初めて

出会ったし、曲に出てくる登場人物の姿が、すぐに思い浮かぶような

この歌詞に、一気に惹きつけられた。

 

 

 

それ以来、サカナクションから目が離せなくなったし、

僕の中で唯一無二のアーティストになった。

 

 

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今日、サカナクションのオフィシャルチャンネルでは、

10周年記念のライブイベントをYouTubeでプレミア配信していた。

 

 

この『三日月サンセット』は、「あなたが選ぶサカナクションの名曲」

ランキングで第4位にランクイン。

 

 

 

僕が今日紹介するまでもなく、この曲を大切に思ってるリスナーは

たくさんいるんだろうな~。

 

 

 

この曲が、13年前のデビュー曲だと思って、

是非聴いてみて頂きたいです。

 

 

 

今日もご愛読、感謝です。

written by kobakkuma.
Tw:@kobakkuma

044 突っ込んだら負け

もうどれくらい経つだろうか。

 

 

ドラマを、全て通しで見たのは。

 

 

 

それこそ、『SPEC』が最後なんじゃないかな?

 

あの頃はまだ大学生で、金曜の夜だったにも関わらず、

ちょっと飲みに行くのとかを平気で断って、

SPECのためだけに急いで帰宅していたくらいハマっていた。

 

 

その後は、断片的に『カルテット』を見ていたくらいで、

"これはガッツリ見てたぞ!!" と言えるようなドラマは、

ほとんど記憶に無い。

 

 

他の娯楽に時間を割いていることもあり、ドラマを見続けるのは、

もう自分の習慣から失われていると言っても良いくらいだ。

 

 

 

 

そう、この作品に出会うまでは。。

 

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www.tv-asahi.co.jp

 

いやー、とんでもないドラマが爆誕していましたね。。。

 

 

今日、見逃し配信をしていたAbemaTVで、最新の第3話まで一気見

してみたんだけど、、もうすんごいの。

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多くの人が知っていると思うが、このドラマは、浜崎あゆみの自伝・・・

"のようなフィクション" が原作になっている。

 

 

なので、ストーリーには、TK=小室哲哉みたいな人や、trfみたいな

グループ、相川七瀬みたいな女性シンガー、ELTみたいなユニット、、

 

まるでavexの90年代後半~00年代前半を見ているかのような世界が

広がっている。(※もちろんこれはフィクションである。)

 

 

 

別にこの時代をどう過ごしていたかは、全く関係ない。

(逆に、この時代に生まれた人たち、いわゆる"Z世代" が、こんな風に描かれている社会を

 どう見るのか気になるけどw)

 

 

 

このドラマの何がすごいって、どの回も、もう初めから終わりまで、

どこをどう切り取っても、圧倒的に「ツッコミどころ満載」なのである。

 

 

その昔、ニコ動に「突っ込んだら負け」というタグが存在していたが、

このドラマを見て、久々にこのタグを思い出してしまった。

 

 

 

往年のトレンディドラマでもそんな展開あり得ないだろ!と思うような

突然の雨だったり、

 

ヒロインに対するあからさまな嫌がらせだったり、、

 

一晩で書いた歌詞が、もの凄い良い出来だったり、、、

 

 

 

 

オイオイ、これはさすがにやり過ぎだぜ・・・と誰もが思うはずだ。w

 

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そのことに、いち早く気付いていたのは、僕の知る限りだが、

おそらく 伊集院光 だと思う。

 

 

TBSラジオの『伊集院光 深夜の馬鹿力』において、他局のドラマなのに、

強烈なパワープレイを叩き出している。

 

 

 

先週の土曜でようやく第3話を迎えているドラマだが、

第1話も、第2話も、しっかり触れて(イジって) いた。

しかも、そのトーンは、より前のめりになっていた。

 

 

おそらく今日の深夜でも触れる(イジる) のだろう。

 

 

 

このTVでのエンタメが、どんどん総集編や2時間SP、4時間SPに

切り替わってきている今、このドラマを見ない方が、

伊集院の言う通り、(いろんな意味で)ヤバいと思う。

 

それくらい強烈なエンタメになっている。

 

 

 

 

そしてこんなにも "アクセル全開/ブレーキほぼ無し" みたいなドラマ、

誰が作ってるんだ?と、クレジットを見てみると、なんとこれ、

鈴木おさむが脚本を担当していた。

 

 

同じような時間帯にかつて放送していた『奪い愛、冬』を作っていた、

鈴木おさむである。

 

 

この『奪い愛、冬』も、その脚色でかなり話題になっていたのを

ここで思い出す。

 

 

 

さすが鈴木おさむ・・・

鮮やかな手口、、これぞプロの犯行・・・

 

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第4話以降については、現在放送が延期されているものの、

次回以降も、興味をそそられる作品になっていることは間違いない。

 

 

第3話の「許さな~~~~~~~~~~~~~~い」を超える名言は

今後出てくるのか!?

 

 

コロナで外にも出られないので、AbemaTVを見られる方は、

1話でも2話でも3話でも、40~50分で終わるので、触わりだけでも

是非その目で目撃してもらいたい。

 

 

 

 

まぁ、僕自身はこの先どこかのタイミングで、

この"ネタ"たちの供給が毎回過剰であることにお腹いっぱいになって、

途中で離脱するかもしれないけどね・・。w

 

 

 

今日もご愛読、感謝です。

written by kobakkuma.
Tw:@kobakkuma 

039-2 「狂気」の先にあるもの~後編~

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11/3に行われた『さよならたりないふたり~みなとみらいであいましょう~』、

前回の記事に引き続いて、観た感想を残していこうと思う。

 

※前回の記事は こちら。 

kobakkuma.hateblo.jp

 

今回は、少しだけネタバレを含むことになりそうなので、TV放送で初めての"興奮"を

味わいたい人は、ご注意くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

それでは、第二部のスタートです。

 

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僕にとって、山ちゃんも、若ちゃんも、どちらも心から憧れる芸人である。

 

山ちゃんの著書、『天才はここにいた』『天才はあきらめた』も読んだし、

若ちゃんの著書も結構読んだ。オールナイトニッポンの番組本も。

publications.asahi.com

www.kadokawa.co.jp

www.kadokawa.co.jp

 

books.bunshun.jp

 

どちらも、心から憧れているのは間違いないのだが、それでも、どちらかと言うと、

若林正恭という人間により強く憧れている自分がいる。

 

自分でも何故かは分からないが、若ちゃんの文章では涙がよく出るのだ。

 

 

なので、この公演の感想も、気付くと若ちゃんを主体にしたものになっていた。

 

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TV番組『たりないふたり』の仕組みを知ってる人はお馴染みではあるが、

彼らは番組のTwitterアカウントを共有して、お互いにつぶやきを投げ合うのが

恒例だった。

 

この時点でもう、記事のタイトルにも挙げた「狂気」はスタートしていたのだ。

 

 

全くの情報解禁前にも関わらず、『たりないふたり』のアカウントを使って、

「11/3に、横浜で、何かある」ことを発信する若ちゃん。

 

 さらには、山ちゃん嫁へのいじり、グッズの情報漏洩、果てには伝説の枕詞、

「明日以降に情報解禁なのですが」Creepy Nuts書き下ろしの新曲までもが

オープンになっていく。

 

慌てる山ちゃん、企画の安島さん、構成のサトミツ氏、そして他たくさんの大人たち。

 

 

時間がある人は、是非このアカウントの9/20から11/3までの「文責・若林」に注目して

眺めてみて欲しい。およそ大番組のMCを務めている大人の行動とは思えない。

twitter.com

 

当日、舞台にはホワイトボードと会議室にあるような長机が用意されていて、

以前と同様、漫才の設定や流れの打合せ部分からお客さんに見せつつ、

本番の漫才を考えていく…のかに見えた。

 

 

 

そこで「狂気の男・若林正恭」が取った行動は衝撃的なものだった。

 

打合せ、漫才の設定に関して、9か月ぶりに再会した山ちゃんと一切話すことなく、

そのまま1時間超えのアドリブ漫才に入ったのだ。

(厳密には、フリートークと漫才と漫才コントの中間くらい?)

 

 

山里亮太ほどの能力者ならイケると踏んでいた、あるいは、山里亮太ほどの能力者を

舞台上でガタガタ震わせてやろうと思ったに違いない。

 

この進行に、間違いなく観客全員が度肝を抜かれたはずだ。

 

 


1時間以上ぶっ続けで行った漫才が終わり、2人で反省会をするパートになると、

おもむろに、、

 

「あ、あれ言いたかったんだよ、山ちゃんが結婚会見で最後に言ってた、

 『ご指導ご鞭撻のほど…』  あれさ、ちょっとやっていい?」

 

 

完全に「狂気の"ゾーン"」に入っている若林は、あろうことかもう1本、しかもこれも

1時間級のアドリブ漫才を始めたのだ。

 

 

ただ、この2本目の漫才パートで起きた事件が、二部構成の感想を抱かせるほどの熱量を

僕に与えることとなった。

 

 

1本目の漫才から、若ちゃんがSMの女王様&山ちゃんがM男に扮して漫才コントをする

件(くだり)があり、2本目でもその設定が継続される場面があったのだが、

 

 

女王様のトーンが少し変わるやいなや、

「今のあなたは勝ち組ですか? それとも負け組ですか?」と、

強烈な二元論のムチを放ったのだ。

 

 

M男は、少したじろぎながらも、自身のラジオ「不毛な議論」で結婚報告をした回の

ラスト5分のようなトーンで語り始めた。(めっちゃ感動的でした

 

 

先述の著書『天才はあきらめた』では、

「劣等感は最高のガソリン」「嫌いな奴を燃料にして、脳内で圧倒的な勝利を掴め!」と

"下から関節を極める"ような立ち振る舞いを明らかにしていた。

 

しかし、あの大女優と結婚することによって、いよいよ、富・名声・力・・

漫画ワンピースで言う "この世の全て" を手に入れ、「隠れとんねるず」になっているのが、

今のM男の社会的ステータスである。 

 

 

今まで自分が装備してきた、妬み嫉みその類いの武器で戦ったところで、

(嫁が蒼井優なのに)っていう枕詞が付いた瞬間、明らかにそれまでの形勢とは異なる、

上からのマウンティングと思われかねない。

 

しかも、大番組のMCを任され、後輩も増え、周りの対応はどんどん"ライオンMC"を

扱うような対応になっていて、きっとド直球には言われないレベルになってたんだと思う。

 

 

 

別にこれは彼らだけの話では無いと、僕は思っている。

 

僕の場合、自分の状況を誰かに言い当てられたときや、自分が思いそうなことを先に

誰かにアドバイスされたりすると、どうしようもなく涙が出そうになる。

その「誰か」は、決まって、自分がとても信頼をおける存在だ。

 

 

 

それまで2時間近く、筋書きの無いストーリーに巻き込まれ、「狂気」でギラギラした

若ちゃんと何とか対峙することで、この舞台を守ってきた山ちゃん。

 

かなり疲弊していた中で、不意打ちのような本質を突く問いかけ。

 

 

そんな状況下でも、逃げずに、リアルトーンで自身の "呪縛" を解き放ち、

次のステージに踏み出したこと、また新しい武器を探して戦い続けていこうと決意した

この瞬間こそ、何よりもこの公演のクライマックスだった。

 

 

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同時に、僕はこの「劇薬・若林正恭を、どこかで見たことがあるなと思った。

 

 


そうだ、相方・春日のフライデー事件のときのラジオだ。

 

あのときも、むちゃくちゃキレているように見せて(実際めっちゃキレたんだろうけど)、

春日のことを週刊誌やワイドショーで変に弄ばれないように、93番(春日の嫁のこと)を

電話で登場させ、他でもない春日本人に謝罪させていた。

 

もはやあれはドキュメンタリーだったとさえ思う。

 

 

この時の放送は、本当に若ちゃんはとち狂っていた。

というか、この回よりもっと前から、ラジオでは「狂気」を放っていたのだけど。

 

 

 

若ちゃんの「狂気」は計算しているのか、はたまた感覚で転がっているだけなのかは

誰にも分からないが、 この「狂気」によって救われた人を、僕は少なくとも2人知っている。

 

 

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打合せゼロ、完全即興だからこそ可能な脱線と、それによって辿り着いた奇跡的な瞬間。

 

若ちゃんの「狂気」は、カタルシスとも言える感覚をもたらしていた。

彼の著書を読んで涙を流していたのは、こういう要素も影響していたのかもしれない。

 

 

"たりない"という言葉が、こんなに前向きなものだったなんて思わなかった。

趣味の悪い先入観は、全く要らない。

 

そのことを、かつての "たりないふたり" から、力づくで教えてもらった気がした。

 

 

次の "たりない" ステージが2人には待っているはずだし、そこからどんな景色が見えるのか、

ノーガードで撃ち合う2人をまた見られますように。

 

 

さよなら?いや、こんにちは。

 

拝啓、新しい "たりないふたり" 様 へ。

 

 

毎度お読み頂き、ありがとうございます。

written by kobakkuma.

こばっくま (@kobakkuma) | Twitter